TOP > シニアライフブログ > 見学できない高齢者住宅が続出。高齢者向け住宅探しは、【コロナ禍】でさらに困難に。

高齢者住宅

見学できない高齢者住宅が続出。高齢者向け住宅探しは、【コロナ禍】でさらに困難に。

シニアライフカウンセラー 後藤達也
2021年03月22日

こんにちは、シニアライフ相談サロンです。
NPO法人札幌高齢者住まいのサポートセンターでは、「シニアの困りごと相談所」として日々多くの方から、住み替えの相談をお受けし、高齢者住宅探しのサポートをしております。

長期化している新型コロナウィルスの感染拡大によって、私たちの生活様式は大きく変化し、高齢者住宅や医療介護体制にも多大な影響を与えています。感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染であることから、マスク着用、体温測定・手指消毒などの基本的な感染予防の実施や「3つの密(密閉・密集・密接)」を避けることが重要となっており、ソーシャルディスタンスや「不要不急の外出の自粛」が求められています。
そして、現在「高齢者住宅探し」においては、高齢者住宅の種類、費用、設備、医療介護体制に加えて「施設の見学対応」や「コロナ感染対策」も重要な判断要素となりました。
今回は、現在とこれからの「コロナ禍」における高齢者住宅選びについてお伝えしていきます。特に下記のような高齢者住宅を検討中の方には是非とも読んでいただければと思います。

・そろそろ自宅での生活が大変になってきたので、高齢者住宅への住み替え情報がほしい
・親が認知症になったので、施設・住宅を探したい
・コロナ禍において高齢者住宅は見学できるのかを知りたい




高齢者住宅探しは、コロナ禍においてさらに難しい状況に。


マンションやアパートなどの普通の住宅とは異なり、高齢者住宅は設備や費用だけではなく、食事や医療介護サポート面など、様々な要素が検討事項となります。同時に「高齢者住宅=住まい」である以上、選ぶうえで実際に住宅を見学することは非常に大切です。
通常であれば、相談サロンでは、老人ホームや高齢者住宅を探している方に「可能な限り複数の住宅を見学して下さい」とお話させていただいていましたが、現在は、新型コロナの影響により「お急ぎの場合以外は、見学させてもらえない」「急ぎの見学であっても条件付き」であるということを、お伝えせざるを得ない状況になっています。



【高齢者住宅選びがさらに難しくなった理由】



そもそも相談サロンに行けない


「シニアライフ相談サロン」は、路面店で相談サロンを設け、経験豊富な相談員(シニアライフカウンセラー)が実際に顔を合わせて相談できることが、多くのみなさんに喜ばれてきました。高齢者の方は特に、顔を見て直接会って話ができることから安心して相談できるというメリットがあるようです。しかし現在は、外出自粛が求められています。毎日多い日だと10名近く気軽にサロンにお越しいただいていましたが、今はほとんどが電話での相談となりました。電話でももちろん相談はできます。しかし、それでも「会って話したい」という方々にとっては、相談自体ができないとストレスを感じるようです。

そもそも高齢者住宅の見学ができない


シニアライフ相談サロンでは、相談者から住まいのご希望をお聞きし、相談員がいくつかオススメできる高齢者住宅を提案します。
その中から気になる住宅があれば、まずは見学をしていただくのですが、今は多くの高齢者住宅が、家族の面会さえも制限しています。いざ高齢者住宅への入居を検討された場合、まずはネットで検索し情報収集したりパンフレットを取り寄せたりするでしょう。ただ住まいである以上「実際に見てみる」こと、住宅を見学することは必須です。
ホームページやパンフレットだけでは、よく分からないことだらけ。当然ですが、例えば「住宅の雰囲気」「職員の方の対応」などは実際に行ってみないと分からないものです。
住宅見学は現在、人数・時間制限を設けたり、館内の見学範囲も限定的です(住宅内の相談室などで居室や普段の生活の様子を写真や動画などでご案内してくれる住宅が多いです。)
感染対策上、住宅側としては当然の対応ですが、選ぶ上ではこの見学制限は厳しいものになっています。

入院中だと本人の様子が分からない


現在、病院も基本的には面会禁止の制限しているところがほとんどです。
病気やケガにより救急車で搬送された後、そのまま入院になると「入院日から本人には会えていない…」とご相談に来られる息子さんや娘さんも多いです。入院後、数か月間実際に会っていないことで、今現在の本人の歩行状態、認知面などを細かく把握できないため、現状に合った住宅を選ぶことがより難しい状況といえます。

入居後に面会禁止となる


現時点では高齢者住宅入居後、家族の面会を制限しているところが多いです。時間や人数制限をもうけたり、ZOOMなどのネットを介して「オンライン面談」を導入する住宅も増えてきました。家族としては、自宅での独居生活は困難になってきたので高齢者住宅住宅を探したいと思いつつも、住宅に入居すると今度は本人に会えなくなる…といった選択を迫られることも。住宅の入居に二の足を踏んでしまうご家族も増えています。

入居後に「外出自粛」となる住宅も多い


高齢者住宅は集合住宅であるため、集団感染・クラスターへ発展しないよう予防が欠かせません。
現時点ですが、高齢者住宅入居後、約2週間は原則、居室から出られないなどの制限をもうける住宅もあります。食堂などの人が多く集まる場所には、基本的に2週間は出られません(食事はその都度居室に運んでくれます。)また2週間後も、外出自体は自粛を求められる(不要不急の外出の自粛)ところも多いため、まだ自由に外出している方にとっては二の足を踏む方も多いのが現状です。



まとめ


高齢者住宅への入居を検討される方にとって、住宅がしっかりとした感染対策を施しているか否かは、今は高齢者住宅選びについても重要な側面ではないでしょうか?
ただ高齢者住宅を選ぶ段階では、見学できないことは非常に悩ましい問題です。ですがいくらコロナ禍といえども、見学せずに住宅を決めてしまうことは危険です。

制限が多い最中ではありますが、それでも可能な限り見学することをおすすめします(最終的に仮予約をして入居する部屋まで決まれば、最終的にはどんな住宅でも館内を見学させてくれるはずです)。
繰り返しになりますが、高齢者住宅は「見学しないと感じ取れないもの」が多いのも事実です。

現状はとても厳しいですが、早く通常通り、みなさんが気軽に高齢者住宅へ見学に行けるような環境が整うことを願うばかりです。